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ワーキングプア4 [書評]

週刊金曜日のワーキングプア連載第2回。
遅ればせながら読みましたので。

リードがこう書かれている。
「民営化や民間委託の先にあるのは、サービスの向上などではない。
市場の原理に晒されて、労働力が安く買い叩かれているのが現状だ。
こうした現象が、公共サービスを担う労働現場で起きている。
公共性の高い仕事で広がる「賃金破壊」の実態をルポした。」

実例に上がっていたのは、ゆうメイト・郵便物の自動車輸送業・保育士・非常勤教員・図書館司書。

製造業派遣・請負は最近話題になって、
不十分とはいえ光のあたってる感じはある。
それに比べあまり報道されることのない現場の話。

私自身はわりと知ってるほうと思っていたが、
やっぱりこうやって記事として読むと、
その労働破壊・生活破壊の実態は「ここまできたか・・・」とため息が出る。

住宅ローンを抱えダブルワークを余儀なくさせられるゆうメイト。
生活保護を受けながら教壇に立つ。など。

記事では深くは突っ込んでいないが、
「小さな政府」という議論がもともとからおかしい。

ゆうメイトにしろ教員にしろ、そのサービスの必要性が低くなっているわけではない。
その意味で公共部門を「小さくする」必然性は本来どこにもない。
小泉改革が主唱してきたその論の根拠は結局のところ財政論でしかない。

ここに大きな矛盾が生じる。
同じサービスをより少ないコストでやる。
コスト減らしの主たるターゲットにされたのは人件費。
その手法が民間委託や民営化。

「儲かるか否か」が「民」の行動原理。
それを「儲け」る仕組みのもともとない公共サービスに押し付けた。
ちょっとでも「儲け」ようとするために、
「公」のコストカット圧力は普通の民間よりも激烈なものになるんだと思う。

公共部門のワーキングプアはこうしてつくられた。

この矛盾だらけの「小さな政府」を推し進めたら、さらに悲惨な実態が拡がる。
ここいらでそろそろ止めるところだと思う。


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