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ワーキングプア5 [書評]

週刊金曜日はちゃんと金曜日にレビューせんといかんなぁ、
と感じてましたので。

短期連載はこれで終わるワーキングプア特集3回目。
タイトルは「生存権も奪われたタクシー労働者」

タクシー業界の悲惨さは以前からも指摘されてたことだが、
生活保護水準を賃金が下回るのが35道府県(上回るのはたった12都県!)とは・・・
大阪の例を紹介しているが、91年には500万円台だった年収が、04年に307万円になったとか。

原因は「規制緩和」による市場競争の激化。
02年の法改正で需給調整規制がはずされて、自由にタクシー台数を増車することができるようになっている。
その結果ドライバー一人当たりの収入(タクシー業界は多くのとこで歩合制)が生活保護水準以下まで落ち込んだ。

会社は増車してるから収入は減らずそれでいいのかもしれないが、
上記のような賃金水準・・・

「自由競争の結果だから仕方ない」、国はそう言うんでしょうけど、
競争原理のいき過ぎを抑制しないこと=不作為が、この結果を作り出したのは明らかだ。
そして、その状態は憲法上の規定である「最低限度の生活」を下回った。

需給調整をしなかったことの国策責任を問う国賠訴訟も起きているとか。

憲法25条が「最低限度の生活」を国民の「権利」としている(いわゆる生存権)のはご存知のとおり。
しかしその生存権は現行憲法上の規定のなかでも、
「ないがしろにされてる度」は1、2を争う。

憲法上の規定すら守れない国は、(こんな言い方したくないが)レベルの低い国だと思う。

筆者は「働いても生活できない国が、「美しい国」であるはずがない。」
と、記事を結んでいる。

同じように私も言いたい。
生活していくために仕方なく、この国の「働き方の異常」と妥協したりしながら、
なんとか受け容れて日々を生きている多くの国民。
その姿をちゃんと見ようとしないまんまで表面の「美しさ」だけを言ったりしないでほしい。


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ヨシ

おお、もう書きましたか!俺、まだ読んでいないのに・・・。
by ヨシ (2006-10-14 06:49) 

ふわっと鉄アレイ

年収300万円(平均)の実態は以前から知ってましたので、これまでタクシーに乗るたんびに運ちゃんに「どうなん?」っていう話を振るようにしています。「しゃあない。自分の腕次第の仕事やし」という方もいれば、「うちの会社は車がレンタル制で、会社は増車すればするほど儲かるしくみ。ひどいでしょ」という話をしてくれる方もいます。ただ、全体的には、なぜ低賃金に追い込まれているのかよく分からない、という人が圧倒的に多いように思います。
by ふわっと鉄アレイ (2006-10-17 15:27) 

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