確かに、労働者「保護」行政は国や都道府県の管轄であることや、
市町村での施策としては、
産業振興策の結果としての雇用拡大として位置づけられてきた経過があります。
一方で、橋本行革や小泉構造改革以降の労働法制の規制緩和が進んできた結果、
「結果としての」雇用拡大は、不安定雇用の増大に変わりました。
そして労働者の賃金や権利の悪化が、
国保料滞納や授業料免除世帯の増加につながり、
財政への影響→そのことを理由にした社会保障に切り捨てにつながってきました。
このような負のサイクルを断ち切る努力が、地方自治体に求められるのではないでしょうか。
各候補者には、その「知恵」が試されていると思います。
印象に残るのは第6条です。
「第6条 公契約に従事する労働者に適用される労働条件は、賃金に関する事項を除き、次の各号に従い決定されなければならない。
一、 所定労働時間は週40時間を原則とし、労働基準法に従い適用されること。
二、 労働基準法、労働組合法、男女雇用機会均等法に違反しないこと。
三、 その他の労働条件、人権、男女平等に関する法令、施行規則などに違反しないこと。」
法令順守を説く条例案を作ることの意味を、深く考えなければいけません。裏を返せば、企業が違法行為をすることで、公的サービスが維持されているという実態があるということです。
]]>1.家族を守り・育てる政策
【父 母】母子・父子世帯への生活支援拡大=
所得のレベルを考慮して、補助金または就労支援を実施。
【失業者】就業支援=新分野への講習会補助・生活費補助
▲緊急経済対策100億円のうち失業者対策として5億円実施
この方のマニフェストは、文章ではなく項目のみです。他に中小企業政策などありますが、ここでは省きます。またHPの別のページに、市内の就労者人口の変動について分析しています。
]]>この後に個別策が列挙されていますが、これ以上雇用・労働者施策のないものを並べても仕方がないので省きます。おそらく市民の雇用実態に関心がないのか、政策を持ち合わせていないのでしょうね。
]]>
7.京都経済を活性化し雇用を創出する施策を進めます。
(6) ニート、フリーターなどが夢を持って挑戦できるまちづくりを進めます。(実際は6を四角で囲んでいます)
①「地域若者サポーター」制度の創設
地域でニートやひきこもりの若者の相談相手になったり、アドバイスをする「地域若者サポータ ー」制度を創設して、自立を支援します。
②「市民共汗(きょうかん)サポーター」制度の創設(再掲)
市政のさまざまな分野で活躍いただく市民ボランティアを「市民共汗サポーター」として登録(10万人)し、市民と行政が共に汗する市政運営を進めます。
③ 職業教育プログラム「ジョブシャドウ」の実施
大学、企業等と連携し、企業や市役所で働く人に学生が「影のように」付いて実際の仕事を見学・体験する職業教育プログラム「ジョブシャドウ」を実施します。
NPO等と共同でボランティアとして社会参加する機会を拡大します。
④ 雇用創出対策の実施
京都経済の特性を踏まえ、京都市独自の雇用創出事業を検討し、実施します。
⑤ 青少年の総合的な相談・支援窓口の設置
青少年が抱える悩みや生活の自立に関し、相談・支援を行う総合的な窓口を設置します。
あと、別の項目で「① ワーク・ライフ・バランスの社会構築」として、以下のように述べています
仕事と家庭生活が両立・調和し、多様な働き方を選択できる社会の構築を企業等の協力を得て進めます。
「おやじの会」等と連携し、父親の子育て参加を応援する「OK企業」(おやじ(O)の子育て(K)に理解がある企業)を認定し、増やしていきます。
門川氏のマニフェストの基調は、市政や市民生活の現状分析には着手せずに、現市政の積み残した課題の整理という印象を受けます。この雇用施策を見る限りは独自性は薄く、また支援団体である連合の基本方針とも連携が感じられません。項目に掲げるぐらいなら、京都市内の「ニート、フリーター」の状況を明らかにし、どのような支援が必要なのか個別列挙すべきではないでしょうか?
]]>さて、「基本政策」ではありますが門川大作氏の雇用施策です。
「七 京都経済を活性化し雇用を創出する施策を進めます。
ものづくり都市・京都を支える地場産業・中小企業や京都ならではの伝統産業・先端産業の振興・知恵産業創出支援、観光振興、商店街の活性化、食文化・食産業の振興、自然を守り環境にやさしい農林業振興などを産学公連携で進めます。また、ニート、フリーターなどの若者の就労支援にも取り組み、経済の活性化と雇用の創出で京都の未来を確かなものとする活力に満ちたまちづくりを進めます。」
まさに骨格のみです。中村氏のマニフェストでは、「まちづくり」や「地域経済」など4つの章に分けている内容が凝縮されていますので、比較できません。早急にマニフェストを広く公開することを希望します。
]]> この中で個人的に注目しているのは、財界特有の「トリクルダウン」論への批判を皮切りに、賃金アップ・・・「公正分配の実現」を説いている点です。
「経済成長率が高くなれば賃金格差は縮小に向かうなどとの論理は、成長すれど家計所得が減少する現下の実態を顧みない主張と言わざるを得ない。さらに、企業規模別・業種別・地域別の収益がばらつく現状において、『賃上げを困難とする企業数も少なくない』と指摘し、『市場横断的なベースアップはすでに過去のものである』との主張は、経営論理に拘泥するだけでなく、行き過ぎた分配の歪みによって格差拡大に呻吟する弱い立場にある者への思いやりを欠いた主張であり、社会の信認を到底受けることはできないものである。」
「『報告』は、『労使にとっての共通の課題は個々の企業の生産性の向上である』とする一方で、『総額人件費の増加額はあくまでこの範囲内で、利払い費、配当、内部留保なども考慮し決定すべき』としている。これは、日本経団連がこれまで主張しつづけてきた生産性上昇の範囲内での賃上げを可能とする『生産性基準原理』を自ら否定するものである。また、ステークホルダーとしての従業員をないがしろにするものである。」
経労委報告を巡っては、「家計重視、賃上げ容認に転じた」かのような報道が大勢です。実際のところ、依然として『自社の支払能力を基準に考える必要がある』など各種の含みを残しています。12月下旬から株価が下落を続けていますが、サブプライムローン問題や原油価格高騰などの影響による景気の後退が懸念されます。『報告』の随所に散りばめられている含みは、情勢への対応として再び労働者を犠牲にすることを見越したものであり看過できません。
国民・労働者の生活擁護こそ、真の景気回復であることを証明する春闘となってほしいものです。
ちなみにそもそもの経労委報告については、概要ですがこちらを↓
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2008/0101/02.html
告示1ヶ月前までにして、門川・岡田両氏にマニフェストがないわけではありません。
http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2007121700034&genre=A2&area=K10
http://www.okadatoshihiko.net/blog/index.html#1222
岡田氏は近日発表ということですが・・・。
今やネットでの政策表明は必然でしょう。ちょと遅くないでしょうか。
仕方がないのでとりあえず紹介できる分だけ紹介します。
まず第1回は、「市政刷新の会」中村和雄氏。
2007年12月20日発表のマニフェストから抜粋しました。(改行は私の任意でしました)
(http://www.neo-city.jp/manifesto.html)
マニフェスト03 【雇用・請負問題】
貧困と格差拡大の大きな要因に、雇用現場における非正規雇用の拡大があります。京都の若者の雇用形態は派遣やパートという非正規雇用が5割を超えています。京都で働き暮らそうとするみなさんが人間らしく働けるよう正面から雇用問題に向き合います。
京都市が先頭に立ってその改善をはかるため、『働き方を変える京都市公契約条例』を制定します。公共工事の現場労働者の労務単価・雇用形態・雇用条件を適正に確保することを入札条件とし監視すること、下請けいじめのゼネコンの告発を規定します。
京都市が事業を民間に委託するにあたって、委託契約の条件として現場で働いている人の賃金と雇用条件を適正なものとすることを規定します。賃金額は最低でも時給1000円を確保します。女性差別や障がいのある方を差別する企業は排除します。
あわせて、京都市の公務職場で働く非正規雇用職員の権利の向上をはかるとともに非正規雇用の解消に努めます。
また、伝統・地場産業と京都の大学や民間の優れた人材が連携し、雇用と仕事を生み出すことをめざします。
ここでは、行政として直接関与できる範囲での雇用条件の整備が中心にまとめられています。雇用と密接に関わる地域経済・産業振興等については「07ものづくり」「08地域経済」「09商店街・大型店対策」でまとめられています。
]]>
昨年このブログは、前半期は比較的多く記事を作成できましたが、
後半はほぼ壊滅状態でした。
ユニオン自体は、組合員拡大は進み、交流会も何度か行っています。
しかし、労働者の貧困が拡大している中、情勢に見合った活動を展開するには、
不十分なまま、運営に課題を残しています。
本年は、そういった課題を見据え一歩一歩進めていきたいと思っております。
さて、今年は早々に京都市長選が行われます。
京都市左京区にあるユニオンとして、
予定されている候補者がどのような雇用施策を持っているか無関心ではいられません。
また、二人の候補者の支持団体にはそれぞれローカルセンターが入っているわけですから、
無視もできません。
従って、可能な範囲で雇用施策の紹介・検証を進めたいと思います。
どうかよろしく。
【談話】「企業栄えて、労働者は貧困化」の社会は認められない
- 「2008年版・経営労働政策委員会報告」への批判 -
12月19日、日本経団連は、「日本型雇用システムの新展開と課題」との副題がついた標記の報告書(経労委報告)を公表した。
「経労委報告」はその冒頭で、「政府・民間による改革が実を結び、わが国企業の足腰は強化」されたとし、「企業活力の維持・向上の実現、ひいては国民の所得や雇用の拡大につなげていくかが最大の課題」とする問題設定をおこなっている。
企業が栄えれば労働者・国民の生活は良くなるとする「経労委報告」は、その基本的な認識からして誤っている。大企業の業績が5期連続して拡大しているもとでも「貧困と格差」は拡大してきた。「経労委報告」は、「わが国の賃金水準は依然として世界でもトップクラス」としているが、労働者の平均賃金は9年連続低下し、先進国では唯一賃金水準が低下し続けている。こうした事実を意図的に無視し、労働者・国民の生活実態をまともに検証しない机上の論議に終始していることが、「経労委報告」の基本的な問題点である。
「経労委報告」では、08年春闘にむけた日本経団連の対応課題として、「生産性に見合った人件費設定」と「ワーク・ライフ・バランスの実現」をあげている。前者は、賃金にかかわり、後者は労働時間と雇用にかかわっている。
賃金では、手取り収入の伸び悩みや個人消費の増勢鈍化への懸念も表明し、「企業と家計を両輪とした経済構造」の必要性に言及したうえで、企業の支払い能力を基準に、「付加価値額の増加額の一部は、人材確保なども含め総人件費改定の原資」として賃上げを容認することを提起している。相変わらず「市場横断的なベースアップ」は否定しているが、賃上げ容認に踏み込んだ背景は、この間、大企業が業績拡大を続ける一方で、中小企業と地域経済の疲弊、労働者・国民の貧困化、格差の拡大がすすみ、これらに一定の配慮をせざるを得ない状況に追い込まれたことへのあらわれである。
「経労委報告」は、最低賃金制度の見直しにも言及し、中小企業のコスト増を口実に、「生産性を無視した最低賃金の引き上げ」を一蹴している。しかし、中小企業の生産性を阻害しているのは労働者でなく、単価低減を強要し燃料・原材料高騰の価格転嫁を拒んで、中小企業に負担を押し付けてきた大企業である。また、そもそも最低賃金は生計費を基本に検討されるべきものである。「経労委報告」は、ワーキング・プアと言われる労働者の深刻な貧困状況を生み出している財界・大企業の責任こそ言及すべきである。
「ワーク・ライフ・バランスの実現」では、「自らのライフスタイルに合った働き方」などの美しい言葉を使いながら、労働法制改悪についての日本経団連の従来の主張を繰り返している。断念に追い込まれたホワイトカラー・イグゼンプション制度の言い換えにしか過ぎない「自主的・自律的な時間管理を可能とする制度」の導入、労働者派遣制度の規制緩和、職業紹介事業の民間開放など、美辞麗句に隠した挑戦的ともいえるこれらの主張は、企業の社会的責任に背を向ける許しがたいものである。
全労連は、08春闘に向け、積極的なベア要求を掲げ、その実現に向けたたたかいを強調するとともに、最低賃金「時給1,000円」の実現を中心課題とする「なくせ貧困」の取りくみを、単産・地方組織が力を合わせて展開するよう提起している。「経労委報告」は、労働者の実態、要求と真摯に向き合うべきである。全労連は、労働者の深刻な労働実態を明らかにし、国民諸階層との共同もひろげながら、財界の攻撃を押し返す08年国民春闘勝利に向け奮闘する。
2007年12月20日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川 義和
この時期を迎えると、いよいよ春闘が近づいてきたと感じます。個人加盟労組としての春闘の闘い方を本格的に考えていかねばならないと感じています。
しかし、そのためにもこのブログを充実させなければ・・・。
★'07STOP! ザ・働きすぎ! 働き方を見直す京都9月集会
日時:9月29日(土) 全体会14:00~18:00
【記念講演(1)】
「“異常な働き方”と社会構造」
~人間らしく・生きるために~ 斉藤貴男氏(フリージャーナリスト)
【記念講演(2)】
「長時間・過密労働改善のために」 ~職場で何を取り組むか・産業医の立場から~
広瀬俊雄氏(仙台産業医学センター・医師)
日時:9月30日(日)10:00~15:00 分科会
(1)メンタルヘルス不全の予防対策と職場復帰制度
(2)長時間・過密労働(不払い労働・労働時間管理等)の改善
(3)疲労性疾病の予防と補償
(4)労働法制の改悪の流れを斬る
(5)深夜労働の規制を考える
場所:一日目・二日目ともラボール京都
参加費:一日1000円・2日通し1500円
主催:働き方を見直す京都9月集会実行委員会
(お問い合わせは「いのちと健康京都センター」℡075-803-2130)
http://www.asahi.com/national/update/0512/TKY200705120016.html
勉強不足でこの事態をどう考えればいいのか正直戸惑いもあるんですが、
「いい話にはウラがありそうだなぁ~」って頭で考えると、
こういう最悪のシナリオが思いついた。
つまりこの厚労相の要請どおり最賃額が決まれば、
政府が言ってた「生活保護との矛盾」が解消されたってなって、
最賃法の改正もうやむやに・・・
京都は30円アップで718円です。はい、決まり!
って、おいおい、そんな金額ではやっぱ暮らしていけませんよー。
やっぱ最低でも1000円だよなー。
うん、そうだ「あくまで1000円」でがんばるぞ。
今日は軽いタッチで書いてみました。
でも、がんばるのは本気よ。
(OK)
]]>世間休みでも仕事してる人もいっぱいいるし、
休みなら休みでみんな出かけてるもんねー。
今日は最賃制についてです。
ネタ元は前回のと同じですが、
今回のは別に批判したくならなかった。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/topics/workissue/070403_2nd/index.html
勉強不足でこの小越さんがどういう人なのか、
いまいち分からないんですが、
記事は日本の最賃制の問題点について
分かりやすく解説されているので、
いいかなぁと思って紹介しておきます。
記事読んでくれたら分かるので私が細かくは書きませんが、
日本の最賃制の大きな問題として、
「地域別最賃」「企業の支払能力を決定基準にしてる」
ことがきっちりと指摘されている。
どっちも世界的にはまれなことだということも。
みなさん!
日本のワーキングプア問題は、国際競争のせいじゃないですよ!
グローバルスタンダードから遅れまくった制度の問題ですよ!
これやから国会に物言うていく意味があるんです。
最賃とは、
「企業が人を雇うとき○○○円以下で雇ったらダメですよ」っていう基準のこと。
これは○○○円もらえれば「人間らしく生活できる」基準であるべきだ。
常識で考えてそりゃそうだろ、というのもあるけど法律にも書いてある。
労働基準法第1条は「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」です。
これを「生計費原則」といってます。
今、生活保護基準との整合性が言われるのも、
生活保護基準が生活していける「最低限」の水準であるのに
(憲法25条の「最低限度の文化的生活」が生活保護の目指しているものですもんね)、
最低賃金で働いてもその額に届かないのはおかしいじゃないか!ってことです。
ちょっと案内。
「現行の最賃額(京都なら686円)は『人たるに値する生活を営むための必要を充たす』ものかどうか」
要約してみると「最賃なみの収入でほんまに生活できるの?」っていう、
その生活体験運動が京都でも毎年取り組まれていて、今年も6月から始まるようです。
げんなり!最賃伝説。~第4章~ 公式ブログ
京都府の最低賃金“時給686円”で生活するとどうなる?
http://blog.goo.ne.jp/2007saitin
くらしていける最賃に!
求める運動に注目してみてはどうでしょうか?
「現行の最賃は生活できる賃金か?」
ブログにご注目ください!
以上宣伝でした。
それではGWのこり楽しくお過ごしください~(^0^)/
(OK)
]]>
春先に「労働国会」とか騒がれてたわりには
あんまし盛り上がってるように見えてこねえなと思ってましたが…
違いました!
私たちが盛り上げんといかんのでしたね…m(__)m
パート労働法について考えてみるために、
政策立案側の人の書いたもんをネタにちょっとだけ言ってみます。
「パート社員処遇に差別的取扱いの禁止」(日経BPネットの特集より)
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/topics/workissue/070410_3rd/index.html
さらっと読むと、
「日本の雇用環境が非正社員が増えてきている現状にあわせて
より公正なルールがこんど作られるんだよ」
という記事ですかね。
「パート社員の処遇内容が、同様の仕事を行う正社員と比べて低いままでは、パート社員の間に、正社員との処遇格差に対する不満を高めかねないことになる。」
「処遇格差を合理的なものとし、パート社員の処遇に関する納得性を高め、仕事や技能向上への意欲を維持することがパート社員を活用する上では重要となる。」
「パートの処遇に関して合理的に説明できない処遇差が存在しないかどうか」
「パート社員に意欲的に仕事に取り組んでもらうことができる環境整備のためには欠かせないもの」
パート正社員の不満が焦点のように書いているが、
まぁつまり法案提出側の感覚もそんな感じなんだろうな。
差別されてるパート社員じゃなくてパートを活用する側の視点だもんね。
えぇっと、労働組合としては違う視点も持っているので指摘しておきますね。
「おんなじ仕事してんねんから給料おんなじにしてよ!」という権利としての一面はもちろんのこと、
同一労働同一賃金がいわゆる「格差」縮小の意味あいで重要だという主張だ。
なぜなら、低すぎる非正規労働の賃金水準がワーキングプアの温床となっているから。
非正規であっても「自立した生活ができない賃金」はおかしいはずです。
非正規の賃金を上げるかたちで、非正規/正規の賃金格差が縮まるなら、
経営側が正規を非正規に置き換える欲求は弱まり、
労働者には雇用の安定化も期待できるという政策です。
日本の現状を変える意味で、「均等待遇」ほんとにこれが大きいんですね。
(非正規労働の賃金水準の低さについては前にも書いてますよ)
その意味で今回提案の法案はあまりに不十分だ。
差別禁止の範囲が「正社員と職務・人材活用の仕組み・運用等の就業の実態が同じであるパート社員」という非常に狭い範囲にとどまっているんである。
(記事はその辺のことは無視してますね。)
つまり正社員なみに働く人「だけ」は正社員なみに処遇しますってことで、
これではほとんのどパートは「差別していい」ってことになりませんか?
(雇用環境のあるべき姿という点で言えば、正規社員なみの働き方をしている非正規社員なんかほんとは「あってはならない」働きが正社員なみなら雇用も正規にしなさいよ!と言いたいんで。記事でも触れている「非正社員の基幹労働力化」は非正社員を低賃金で正社員なみに働かせたいという経営側のご都合主義から生まれている発想だと思うし。)
『均等待遇』
もうあとちょっと、声を大きくしませんか?
国会は今やっている。
(OK)
]]>
「伏見ふれあいユニオン」って?という方に説明しとくと、
まぁ、さきょうユニオンと同じくいわゆる地域労組というカテゴリーの労働組合でして、
職務形態、業種を問わず一人からでも加盟できるのがウリです。
地域が違うだけです。
それぞれ、伏見や左京に働いてる/住んでるなど、
なんらかの縁のある方なら「誰でも」、
パート・アルバイトでも正社員でも加盟できます。
両者ともども、これからもごひいきに~m(_ _)m
(OK)
]]>その背景にある思想は財界の方々の提言のなかにある。
いわく、
「日本の企業は正社員が多すぎる高コスト構造にある。これでは国際競争に勝ち残っていけない」
「雇用の流動性を高め、企業の負担を減らすことが肝要」
政治は長きにわたってこの路線を支持し、
国会は労働市場の規制緩和に資するかたちで多く立法権を行使してきた
(そういう法律をいっぱいつくった)。
その路線は今も変わっていない。
安倍首相の掲げる「再チャレンジ」も言葉づらで捉えるなら
不安定雇用の是正に聞こえるかもしれないが、
施策を仔細に検討するなら、
上記のような流動的で不安定な雇用市場の中での再チャレンジでしかなく、
まったく財界の路線のままだ。
では、「日本の高コスト構造」という前提はどういう数値によって表されているか。
「日本の」と言うからには「世界と比較して」どうなのかが問題である。
ここに一つだけ比較をあげておく、
パート労働者比率 米13.2% 日本26%
日本が特別「正社員が多く、世界標準からみて異常」なわけではないような気がしてくる。
(日本で言う「グローバルスタンダード」は実は「アメリカンスタンダード」であることが多いのだし、いい比較だと思う。)
素直に数字を読めばすでに十分流動的な雇用が多い。若年層、女性ではその比率が格段に高いのはご承知のとおり。
もう一つ数字をあげておく。
非正規雇用賃金の正規雇用賃金に対する割合
日本では'90年 45%⇒'95年 43%⇒'04年 41%
年々格差が拡大しているのがわかる。
またスウェーデン 87%、ドイツ 82%、米 54%。
この数字を見れば、諸外国と比べて低いことがわかるだろう。
非正規雇用率が高く、その上その賃金は正社員に比べて相当に圧縮している。
「コストはすでに相当低いのではないか。」
そう考えるのが自然だろう。
「日本は高コスト構造で世界から遅れている」
あんまり簡単に信じてはいけない気がする。
(OK)
*******************************
不安定雇用がグローバルスタンダードだと思っている人も多い、
という現状にぶつかることが多く、このエントリー書きました。
次は「雇用の安定は政治が果たすべき責任なのか?」
という話にも突っ込んでみようと思います。